「うちは飲めますよ」「『罰金』覚悟でやってます」。新型コロナウイルス対策で3回目となる緊急事態宣言が4都府県に発令され、初の平日となった26日。東京都内では酒類を提供できなくなった飲食店の多くが休業を余儀なくされた。業態を工夫して乗り越えようとする店もある一方、一部の店は酒の提供を続けており、繁華街では以前と変わらず客を呼び込む従業員の姿が見られた。
 サラリーマンの街として知られる新橋では、先週まで時短営業をしていた居酒屋やバーの多くが休業していたが、駅前の通りではこの日も客引きの男女が帰宅途中の人に「お酒やってます」などと声を掛けていた。雑居ビルの上階で居酒屋を経営しているという20代男性は、「都の要請に応じても協力金はすぐ振り込まれない。家賃が払えないので通常営業に戻した」と話した。
 一方で、酒の提供を避けて営業を続ける道を模索する店もある。酒とカラオケいずれも提供できなくなった新宿・歌舞伎町のカラオケバー「ネオ!ブラックシグマ」は、宣言期間中のみホットドッグ店に衣替えした。看板メニューは「都知事百合子ドッグ」。オーナーの男性(48)は「感染拡大で売り上げは落ちたが、面白い趣向でお客さんに笑ってもらえたら」と話した。
 梅酒カクテル専門の「TheCHOYA銀座BAR」(東京都中央区)もノンアルコール梅酒を使ったカクテルに切り替え、宣言前の予約客に絞って営業を続ける。店舗運営責任者の平沢拓也さん(42)は「3度目の宣言には正直『またか』と思ったが、今は我慢の時だ」と語った。
 銀座周辺では午後8時、都の要請で店舗や看板の照明が次々に消灯。普段は酔客でにぎわうコリドー街も薄暗くなり、多くの人が足早に駅へと向かった。 (C)時事通信社