第50回日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会が5月20〜22日にホテルニューオータニ大阪(大阪市)とウェブのハイブリッド形式で開催される。開催に先立ちオンラインで行われたプレスセミナーでは、同学会大会長で関西医科大学放射線科学講座教授の谷川昇氏が「働く女性をサポートするためのIVR学」と題して講演。有症状の子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)について紹介した。

UAEは子宮が温存できる

 子宮筋腫は子宮平滑筋から発生する良性腫瘍で、筋腫径が小さく無症状の場合は原則経過観察となる。症状がある場合は、子宮摘出術や腫瘍の核出術、薬物治療に加え、カテーテル治療のUAEが症状軽減のための治療として行われる。

 UAEは大腿動脈からカテーテルを挿入し、子宮筋腫の栄養血管に球状塞栓物質を注入することで筋腫を壊死させる。米国のIVR学会(SIR)の報告では、UAE施行により約90%で圧迫症状の軽減を認め、90%以上で不正出血が消失するとされている。

 局所麻酔下で行え侵襲性が低いUAEは、短期の治療・入院で社会復帰が可能となる。ただし、術後の疼痛が24時間持続するため鎮痛薬で対応する。

 適応は挙児希望のない有症状の閉経前女性で、挙児希望例や巨大筋腫、子宮がん・肉腫が疑われる例は適応外となる。

 谷川氏は「UAEは子宮筋腫で生じるさまざまな症状を改善する治療法で、当大学病院でも84%の患者に症状消失が認められた。子宮摘出術と比べ効果や合併症の発生が同程度でありながら、治療・入院期間が約半分で済み、早期に社会復帰できる。保険診療かつ子宮を温存できるため、子宮摘出に精神的抵抗がある女性に適していると考える」と述べた。

日本産科婦人科学会と共同でUAEを啓発

 日本IVR学会はUAE普及活動の一環として、昨年(2020年)の第49回同学会から日本産科婦人科学会とのJoint Sessionを行っている。今学会でも5月21日にJoint Sessionを予定。また、UAEを広く周知させるため、パンフレットの配布も計画している。

 最後に、谷川氏は「UAEは低侵襲で、約90%で症状の改善が認められる有効かつ安全な治療法である。今後も日本産科婦人科学会と共同でUAEの啓発に努め、働く女性をサポートしていきたい」と強調した。

(芦澤直子)