【ニューデリー時事】新型コロナウイルスの感染が急速に再拡大し、連日30万人超が新規感染しているインドに対し、世界各国が支援に乗り出した。菅義偉首相は電話会談でモディ首相に協力を表明し、米国もワクチン原料提供を打ち出した。隣国の宿敵パキスタンでさえ支援の意向を示している。
 菅首相は26日の電話会談で、新型コロナへの対応を含む「ヘルスケアの面で協力をさらに進展させたい」とモディ首相に伝達した。バイデン米大統領も同日の電話会談で「インド国民に対する揺るぎない支援」に取り組むと強調。インドで不足が深刻な医療用酸素の緊急支援や、輸出を規制しているワクチン原料の提供を申し出た。
 日米はインドとオーストラリアを加え、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指し、対中国を念頭に4カ国の枠組み(通称クアッド)で連携を深めている。日米首脳の支援表明は、コロナ対応で苦境に陥るクアッドの一角であるインドに手を差し伸べた形だ。
 インドでは英製薬大手アストラゼネカのワクチンをライセンス生産してきた。ただ、最近では感染再拡大に伴う接種希望者の急増、米国の原料輸出規制などでインド国内でワクチンが不足していた。
 インド外務省によると、27日には英国から100台の人工呼吸器と95台の酸素濃縮器が到着。フランスやドイツも支援を表明した。
 特に目を引いたのは、係争地カシミール地方の領有権などをめぐり、1947年の独立以来インドと争いを続けているパキスタンの対応だ。カーン首相は24日、ツイッターで「新型コロナの危険な波と闘うインド国民への連帯」を強調。パキスタン外務省は同日、人工呼吸器などの物資提供を申し出たことを明らかにした。 (C)時事通信社