【ワシントン時事】バイデン米政権が発足100日を迎える。新型コロナウイルス危機に伴う不況からの脱出に全速力で取り組み、2カ月足らずで経済対策を実現。これを弾みにインフラ整備や社会福祉の拡充などに4兆ドル(約435兆円)規模を投じる成長戦略の成果達成を急ぐ。財政を拡張する「大きな政府」が主導する成長と雇用創出を目指す。
 「今こそ思い切ってやる時だ」。バイデン大統領は景気悪化による失業や倒産を防ぐ「止血」の必要性を繰り返し強調。現金給付を柱とした1兆9000億ドル(約207兆円)規模に上る巨額支援策の早期実施へ指導力を発揮した。
 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰、石油パイプライン「キーストーンXL」の建設許可取り消しなどの公約も即実行。気候変動サミット(首脳会議)を主催し、トランプ前政権が背を向けた国際協調を重視する姿勢を印象付けた。
 政権の順調な滑り出しを支えるのが、連邦準備制度理事会(FRB)前議長だったイエレン財務長官のほか、オバマ政権時の高官だった「政策のプロ」。「過剰な財政措置はインフレを招く」(サマーズ元財務長官)といった批判をはね返し、大型財政政策に対する世論の支持獲得につなげた。
 今後の目玉となるのが、インフラ投資、子育てや教育の支援などに巨費を投じる成長戦略だ。企業や富裕層に対する増税で財源確保と格差是正を図り、国が経済活動に大きく関与する「大きな政府」に向けて改革する上で試金石となる。
 だが実現に向けた議会対策は綱渡りだ。野党共和党は成長戦略を「リベラル派の願い事」(マコネル上院院内総務)と切り捨て、徹底抗戦の構え。上院では与野党勢力が伯仲し、与党から造反者が1人出たことで閣僚級人事が指名撤回に追い込まれる誤算も起きた。
 「今、行動すれば人々は50年後、米国が将来を勝ち得たのはこの時があったからだと振り返るだろう」。「問題解決の人」を自認するバイデン氏の主導力が試されるのはこれからだ。 (C)時事通信社