【ワシントン時事】バイデン米大統領が就任時、最優先課題に掲げた新型コロナウイルス対策は、感染者の増加ペースを見る限り効果を上げている。米国の感染者数は延べ約3200万人、死者数は約57万人で、いずれも世界最多。バイデン政権はワクチン普及を加速させ、独立記念日の7月4日までに国民生活を平常に近づけることを目指している。
 「(ウイルスとの)戦いはまだ続くが、われわれは目覚ましい前進を遂げた」。バイデン氏は27日、国民に向け演説し、感染防止やワクチン接種での実績を誇示した。
 実際、疾病対策センター(CDC)の集計によると、1月の就任前は7日間の平均で1日当たり約25万人だった新規感染者数は、5万人台にまで減少。欧州大陸で感染が急増する中でも、米国の感染者数は横ばいにとどまり、ここ数日は減少している。1日当たりの死者数も、就任前の3000人超から600人台にまで減った。
 この背景には政権発足後、官民を挙げてワクチン接種に努めたことがある。大統領就任時に掲げた「100日以内に1億回接種」の目標を3月に達成し、新たに設定した「2億回接種」の目標も今月21日にクリア。トランプ政権時代を含めると、延べ接種回数は27日時点で2億3200万回を超え、国民の42.7%に当たる約1億4200万人が少なくとも1回の接種を受けた。
 CDCは27日、感染防止策をまとめた国民向けガイダンス(行動指針)を新たに公表し、ワクチン接種を終えればマスクを着けなくても、複数人による屋外での飲食は「安全」だと説明した。バイデン氏は、同日の演説で「今やワクチンを受けていれば、普通の生活に戻ることができる」と接種を促した。
 一方、米モンマス大が今月公表した世論調査結果によると、ワクチン接種を1回でも受けたと回答したのは民主党支持者の67%に対し、共和党支持者は36%。共和党支持者の43%は「今後も接種を受けないだろう」と答えた。バイデン政権にとって、保守層に根強いワクチンの効果や安全性に対する「懐疑論」を克服できるかどうかが、ウイルス封じ込めのカギを握りそうだ。 (C)時事通信社