【ワシントン時事】バイデン米大統領は28日の議会演説で、最優先課題の新型コロナウイルス対策について「就任から100日間の前進は、米史上で類を見ないほど素晴らしいものだ」と実績を誇示した。銃規制や移民政策、人種差別など米社会が抱える諸課題にも取り組む決意を表明した。
 米国は新型コロナの感染者数・死者数とも世界最多。バイデン氏は就任後、マスク着用などを通じた感染予防策と並行し、官民を挙げてワクチン接種を加速させている。
 演説では「今や16歳を超えていれば、誰でも直ちに接種を受けられる。私の就任時、接種を完了した高齢者は1%に満たなかったが、100日間で70%近くになった」と自賛した。
 ただ、世論調査では米国民の2割強が接種に後ろ向きとされる。保守層に根強いワクチンの効果や安全性への懸念を払拭(ふっしょく)できるかどうかが、今後の課題となる。
 バイデン氏は米社会の人種問題にも時間を割き、「最大のテロの脅威は白人至上主義のテロだ」と明言した。昨年5月に白人警官による暴行で死亡した黒人男性ジョージ・フロイド氏に言及し、取り締まりでの過剰な実力行使に歯止めをかける警察改革法案に関し「フロイド氏の死から1年になる来月に(与野党)妥結を」と促した。
 性的少数派(LGBTQ)の権利や、女性への暴力防止に関する法整備の必要性も主張。米国内で最近、多数が死傷する銃撃事件が相次いでいることを踏まえ「銃による暴力は米国の疫病だ」と指摘し、立法を通じた銃規制を訴えた。
 メキシコ国境で急増する不法越境対策をめぐっては、「移民は米国にとって常に不可欠な存在だった」と述べ、排外姿勢の目立ったトランプ前大統領との違いを強調した。 (C)時事通信社