【ワシントン時事】バイデン米大統領による初の議会演説は、新型コロナウイルス対策で出席者が8分の1に絞られる中で行われた。例年満員となる議場は空席の方が多く、聴衆は全員マスク姿。異例の状況下の演説で、バイデン氏は議場に集まった議員らだけでなく、テレビカメラを通して国民にも語り掛けた。
 「あなたに直接話し掛けさせてくれ」。バイデン氏はカメラを見据え、コロナ禍で職を失った人々に対し、新たな経済成長戦略で数百万人の雇用を生み出すと強調した。
 バイデン氏は演説の内容を一般国民に伝わりやすくするため、率直かつ平易な言葉を使うよう工夫していた。CNNテレビの世論調査によれば、視聴した国民の半数が演説を非常に好意的に評価。7割がバイデン政権下で米国が正しい方向に進んでいると感じたと回答した。
 大統領による年1回の議会演説には通常、上下両院の議員や来賓ら約1600人が出席する。今年は党幹部が招いた議員に限られ、招待客はなし。最高裁からはロバーツ長官、閣僚からはブリンケン国務長官とオースティン国防長官だけが臨席するなど、聴衆は200人程度に絞られた。
 1月に大統領選の不正を訴えるトランプ大統領(当時)の支持者らが議会を襲撃した事件を受け、議会周辺では厳重な警備態勢が敷かれた。演説の2時間前には周辺の道路を封鎖。議会を取り囲むように黒い鉄製フェンスが張り巡らされ、迷彩服姿の州兵や治安要員が警戒に当たった。 (C)時事通信社