ゴールデンウイーク(GW)初日の29日、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令された各地は、雨の影響もあって人出はまばらだった。観光地からは「どうしたらいいのか」と嘆く声が聞かれたが、中心街には大勢の買い物客が訪れ、普段と変わらない光景も見られた。
 例年この時期は多くの人でごった返すJR東京駅。東海道新幹線のホームは閑散とし、車内は空席が目立った。JR東海によると、午前10時までに同駅を出発した新幹線自由席の乗車率は最大60%で、10%以下もあった。
 広島市の自宅に帰省する50代の男性会社員は「(感染の)不安はあるが、こっちにいても仕方ない。家でおとなしく過ごします」と言葉少な。孫娘(4)らと一緒に、静岡県に出掛けるというさいたま市の男性(83)は「ワクチン接種を受けたので少し気が楽」と話していた。
 例年は多くの観光客が訪れる京都市東山区の清水寺では、参道の土産物店や飲食店のほとんどが閉まり、「シャッター街」さながらだった。
 同僚と訪れた大阪市阿倍野区の女性会社員(29)は「少ないとは思っていたけど、こんなにいないとは」と驚く。近所に50年以上住む女性(96)も「こんなに静かなのは見たことがない」と話した。
 京都駅近くのあるホテルは、稼働率が20%程度にとどまっている。広報担当者は「覚悟はしていたが、どうしたらいいのか」と頭を抱えた。
 一方、神戸市の中心街・三宮の人出は普段とあまり変わらなかった。オープンしたばかりの商業施設「EKIZO神戸三宮」の一部の店舗前には行列もできていた。
 夕食の買い物に来たという神戸市の主婦(34)は「みんな慣れてしまっていて、あまり意味がないと思う。飲食店などが苦しいだけ」と再三の宣言に苦言を呈した。近くに住む男性会社員(26)は東京に帰省するか悩んでいるといい、「宣言の解除後でもいいかなと思うが、家族や友人に会えないのは寂しい」と話した。 (C)時事通信社