厚生労働省は30日、虐待や家庭の事情で児童養護施設などで育った若者の実態調査結果を初めてまとめた。働いている人は全体の7割で、うち4割超が非正規雇用であることが判明。過去1年間に医療機関を受診できなかった経験がある人が2割いたことも分かった。
 調査に助言した北海道大の松本伊智朗教授は「厳しい経済状況だ」と指摘。行政に対し現状把握のための調査継続と支援体制の構築を求めた。
 調査は昨年11月~今年1月、インターネットで実施。2015年4月~20年3月に中学卒業以降に退所した人ら2万690人を対象とし、2980人が答えた。回答率は14.4%。回答者の年齢は21歳が18.4%(549人)と最も多く、20歳(18.4%、547人)、19歳(16.3%、487人)が続いた。
 71.0%に当たる2115人が「働いている」と回答。雇用形態は正社員51.8%、パート・アルバイト34.5%、契約社員・派遣社員8.6%、日雇い・期間工1.3%だった。「学校に通っている」は23.0%で、「4年制大学」が35.7%と最も多かった。
 過去1年間に病院や歯科を受診できなかった経験がある人は20.4%。理由(複数回答)は「お金がかかるから」が66.7%で最多。暮らしで困っていること(同)は「生活費や学費」が33.6%で最も多かった。 (C)時事通信社