【ニューデリー時事】新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらないインドでは、9日続けて30万人を超える新たな感染者が確認された。死者も連日3000人を上回る。首都ニューデリーは火葬場が足りず、川辺や駐車場で火葬している。高齢者だけでなく、若年層も重症化し死亡するケースが増えていると指摘される。
 ニューデリー北東部にある、首都最大のニガンボード・ガート火葬場には29日も遺体搬送の車がひっきりなしに到着し、樹脂製の納体袋を降ろしていた。運転手のムハンマド・カーリドさん(28)は「同じ病院所属の車全13台が、1日2回は新型コロナ患者の遺体を運んでくる。最近は50歳以下の人が亡くなる場合が多いようだ」と語った。地元メディアは、昨年と比べ、若年層に感染が拡大中と警告している。
 ニガンボード・ガートでは、60カ所を新型コロナ専用に割り振っているが、それでも足りない。施設の横を流れるヤムナー川の、ごみが打ち寄せる岸辺でも約10カ所、火葬が行われていた。
 火葬場の責任者ビシャール・ミシュラさん(32)によれば、4月1~10日、コロナ患者の遺体は13体だけだった。しかし「11~27日だけで1310体が運び込まれた」と記録を見ながら急増ぶりを説明した。
 昨年は高齢者が多かったが、最近では約4割が50歳以下で、20~40歳代の割合も増えているとミシュラさんは指摘する。「昨日は共に32歳の夫婦が運ばれてきた。とてもひどい状況だ」と声を落とした。
 ニューデリーでは、病床や医療用酸素が足りず、コロナ患者が入院できない「医療崩壊」が連日報じられている。ミシュラさんも「1日に22~25体、自宅隔離中に亡くなった遺体が運び込まれる」と窮状を語った。
 首都東部のガジプル火葬場でも、通常の40カ所の施設では足りず、駐車場にも40カ所の火葬スペースを設けた。防護服姿のスタッフが黙々と遺体の上にまきを組み、火葬を行っていた。 (C)時事通信社