体外受精などの高度な不妊治療を始める女性約500人の精神状態を調べたところ、約54%にうつの症状が見られることが1日、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)などの調査で分かった。20代では8割近くに上っており、調査した研究グループは経済面だけでなく精神的な支援も必要だと指摘している。
 研究グループは、体外受精などを始める予定の女性や始めたばかりの女性計513人に睡眠や食欲などに関するアンケートを実施した。高度な不妊治療を受ける女性の精神状態に関する大規模な調査は国内初という。
 調査の結果、513人のうち279人(54.4%)に何らかのうつ症状が見られた。内訳は、軽度163人(31.8%)、中等度は85人(16.6%)、重度27人(5.3%)で、極めて重度な人も4人(0.8%)いた。
 20代(59人)に限ると、軽度30人(50.8%)、中等度10人(16.9%)、重度6人(10.2%)で、78.0%にうつ症状が見られた。極めて重度な例はなかった。20代が8割近くに達したのは、治療に伴う経済的負担が大きいことが影響している可能性があるという。
 同センターは今後、治療期間が長期化した場合の精神状態の変化などを追跡調査する。今回の調査を担当した同センター研究所の加藤承彦室長は「国は不妊治療への保険適用を検討しているが、経済面からの支援だけでなく、職場や周囲の理解と、精神状態が悪化した際の専門家のサポートが不可欠だ」と指摘している。 (C)時事通信社