【フランクフルト時事】新型コロナウイルスの流行が続くドイツで、有機食品の人気が高まっている。飲食店の営業規制で自炊の機会が増加しているほか、消費者の健康志向が背景にある。有機食品を取り扱う日本のメーカーは商機と捉え、欧州での販売拡大を目指している。
 ドイツ有機食品産業連盟の調査によると、2020年に同国の有機食品市場は前年比22%増の149億9000万ユーロ(約1兆9700億円)に拡大した。頻繁に有機食品を購入する大学生のフェリーナ・クラインさん(22)は「農薬の使用が少なく、自身にも環境にとっても良いものだ」と話す。
 有機食品を取りそろえるスーパーでは折からの日本食ブームもあり、しょうゆやみそなど和食の食材が販売されている。日系メーカーにとって輸出拡大の好機だ。
 茶の栽培・加工を行う流通サービス(静岡県菊川市)は欧州や米国などに、農薬に頼らずに育てた茶葉を使った抹茶を輸出している。服部吉明社長(59)は「欧州では環境保護への意識が高い消費者が多い。茶畑にソーラーパネルを設置して売電も行っていることはセールスポイントになる」と自信を示す。欧州には約10年前から輸出しているが、売り上げは右肩上がりで「特にベジタリアン(菜食主義者)や若い世代の間で日本茶への関心が高まっている」と分析する。
 有機農産物を用いた調味料を販売する光食品(徳島県上板町)は、国産有機ユズの果汁やジャムなどを輸出。欧州向けの売上高は20年に前年比2~3割伸びた。島田光雅社長(68)は「欧州の有機食品市場は日本よりも大きく、今後の成長が期待できる」と語った。 (C)時事通信社