新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言で、劇場や展示場など一部の施設に無観客開催が要請された。大型商業施設などへの休業要請とは異なり、客を入れなければ開催は可能。運営を続ける動きがある一方、「実質的な休業要請」と受け止め、休業した施設なども多く、識者は損失に対する補償の必要性を訴える。
 無観客開催が要請されたのは野球場、ゴルフ練習場、劇場、テーマパーク、展示場など。テレビ観戦できるプロ野球は期間中、無観客で実施し、吉本興業は一部公演を有料でオンライン配信している。
 一方、テーマパークのサンリオピューロランド(東京都多摩市)は宣言中を休業に。担当者は「ロケなどでの利用は想定されたが、お客さまに来ていただけないので、実質的な休業要請と受け止めた」と話す。
 一般社団法人「日本ホビー協会」は、東京ビッグサイト(江東区)で4月27日から3日間の予定だった「2021日本ホビーショー」を中止にした。手芸用品店や個人のアーティストが出展し、小物を販売したり来場者と一緒に制作したりするイベントで、事務局の足立浩さん(61)は「無観客では目的を果たせない」と訴える。
 無観客開催の施設は、国の休業要請に伴う協力金の給付対象にならない。足立さんは「どんな支援が受けられるのか分からない。準備に1億円以上掛かっており困っているのだが…」と打ち明けた。
 立命館大の平岡和久教授(財政論)は「無観客開催にはいろいろな議論、対応が出ているが、結果的には国の宣言で個人の財産権を侵害している」と指摘。「損失に見合う金額を国がきちんと補償すべきだ」と話している。 (C)時事通信社