公明党が首都決戦となる東京都議選(7月4日投開票)へ焦りを募らせている。新型コロナウイルスの影響で活動が制約され、準備が思うように進まない。連携相手を小池百合子都知事が率いてきた地域政党「都民ファーストの会」から自民党に代えて全員当選を目指すが、苦戦も予想される。
 「今後の選挙、自民、公明でしっかり協力して臨んでいきましょう」。公明党の山口那津男代表は4月30日、首相官邸で菅義偉首相と会談した際、次期衆院選や都議選を念頭にこう呼び掛けた。
 2017年の前回都議選で公明党は、自民党とたもとを分かって小池氏と連携。都民ファとの協力を前面に押し出し、候補者全員の当選につなげた。
 ただ、この後、都議会最大会派となった都民ファとの関係は徐々に悪化。政策調整などがうまくいかなかったためで、公明党の支持者からは自民党との「復縁」を求める声が上がった。
 潮目が変わったのは昨年7月の都議補選だ。同日選となった都知事選で小池氏を実質的に支援しつつ、補選では都民ファと対立する自民党の候補を支援した。公明党関係者は「当初と比べ、小池氏と都民ファの距離が開いている」と指摘。「使い分け」とも映るこうした対応はあり得ると解説する。
 自民党東京都連と公明党都本部は3月26日の共同記者会見で、都議選での選挙協力を発表。山口代表は4月27日の記者会見で「自公の選挙協力の効果が最大限出るよう対応したい」と語り、全員当選に意欲を示した。
 もっとも、楽観はできない。コロナ禍で動きにくいのは各党とも共通しているとはいえ、公明党の強みである強固な組織力を生かせず、支持者を固め切れていないとされる。現場レベルでは自民党側に前回の「離反」へのしこりも残っており、党内には「かつてない厳しい状況」(幹部)との認識が広がる。
 小池氏の都議選へ臨むスタンスが見えていないことも不安材料だ。前回のように「小池旋風」が吹き荒れれば苦戦は避けられない。政府のコロナ対応への批判が飛び火する可能性もある。
 東京は山口代表のお膝元で、7回連続で全員当選を果たしてきた。公明党関係者は「一つでも落とせば、代表の責任問題になりかねない」と危機感を示した。 (C)時事通信社