【ベルリン時事】欧州の大陸諸国が、新型コロナウイルス対策をロックダウン(都市封鎖)などの厳しい措置から、制限緩和へと軸足を移し始めた。当初英国や米国などに比べ遅れていたワクチン接種が進展し、人口の3割が1回以上は接種したためだ。
 ドイツは4日、ワクチン接種完了者の行動制限を緩和し、店舗入店時の陰性証明提示の義務などの対象外とすることを閣議決定。週内にも適用される見通しだ。フランスは3日に外出制限を一部緩和し、19日から飲食店の屋外席などで営業再開を認める。オーストリアも19日から、飲食店やホテルを再開し、ワクチンを1回でも接種した人には陰性証明の提示も不要とする。
 昨年末にワクチン接種を開始した欧州連合(EU)諸国は当初、米英やイスラエルに比べると出遅れたが、2~3月ごろから各国が大規模接種センターを開設するなどして加速。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、EU27カ国を含む欧州30カ国の合計では、1回以上接種した人の割合は1月半ばには2%強と現在の日本と同程度だったが、5月初めには30%を超えた。4月25日までの1週間当たりの新規感染者数も、3月初旬以来の低水準となった。
 ただ、集団免疫獲得の目安とされる接種率7割には及ばず、まだ感染者の絶対数も多い中で緩和を急ぐことに不安の声も上がっている。独公衆衛生医師連盟のタイヒェルト会長は地元メディアに、制限緩和でワクチン接種者が検査を全く行わなくなれば、「感染の全体状況の把握ができなくなる」と懸念を示した。 (C)時事通信社