新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の延長と対象地域拡大に合わせ、政府は大規模商業施設に午後8時までの営業を認めるが、知事の判断で休業要請を継続できる。自治体の対応が分かれる中、東京都や大阪府は休業要請を継続する方針で、旗艦店の営業再開を期待した百貨店からは「なぜまた、われわれの業界なのか」(大手)と落胆の声が上がった。
 対象地域では、酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請が続き、外食業界では「もう限界」(関係者)と失望が広がっている。
 4月25日に東京など4都府県に発令された3度目の宣言で、百貨店や大型ショッピングセンターは休業要請を受け、各社とも応じてきた。しかし、食品や生活必需品のみの営業では業績への打撃が「あまりに大きい」(業界関係者)という。高島屋は今月6日から、都内の4店舗で、食器や寝具、婦人靴など生活必需品に関わる売り場を拡大した。
 日本百貨店協会などは延長の決定に先立ち、政府に休業要請回避を要望した。各社とも「午後8時までの営業を自治体が認めてくれれば、順次再開したい」(別の大手)と自治体の判断を注視していたが、東京や大阪での再開はかなわなかった形だ。
 酒類の提供が認められなかった外食業界の苦境は一段と深刻になりそうだ。業界では「もう1年近く我慢を続けている。先が見えないのは本当につらい」(大手チェーン)といった声が渦巻く。
 居酒屋大手の鳥貴族は「要請内容を見極め、業績への影響や感染防止対策、人流などを総合的に判断して対応を決めたい」(広報担当者)と話している。 (C)時事通信社