【ワシントン時事】新型コロナウイルスのワクチン普及を進める米国で、接種を受けた人への「特典」を用意する州や自治体、民間団体が増えている。1日当たりの接種人数が頭打ちとなる中、世論調査で国民の2割超を占める接種に消極的な人の背中を押すのが狙いだ。
 疾病対策センター(CDC)によると、米国の成人でワクチン接種を1回でも受けたのは、6日時点で57%に当たる約1億4700万人。バイデン大統領は4日の演説で「独立記念日の7月4日までに、成人の70%が少なくとも1回のワクチン接種を受ける」という目標を掲げた。
 東部ニュージャージー州は3日、ワクチン接種を受けた21歳以上の住民を対象とする「ショット・アンド・ビール」キャンペーンの開始を発表。接種証明カードを協力店で提示すれば、ビール1杯を無料で飲める。
 ニューヨーク州のクオモ知事は5日、地元大リーグ球団のヤンキースとメッツの本拠地球場でワクチン接種を受けた人に、無料で観戦チケットを提供すると発表。ツイッターで「もしあなたが野球を愛しコミュニティーを守りたいなら、観戦に行き、ワクチン接種を受け、無料チケットを手に入れよう」と呼び掛けた。
 中西部ミシガン州デトロイトでは、ワクチン接種を受けた人に50ドル(約5500円)相当のプリペイドカードを提供。東部メリーランド州のホーガン知事は、接種を受けた州職員に100ドル(約1万1000円)の報奨金を出すと表明した。
 ただ、こうした特典には「ワクチン接種の有無で人々を分断する差別的措置だ」と反発する声も出ている。南部テキサス州などは、州機関や州の補助金を受ける民間団体が利用者に接種証明提示を義務付けることを禁止する知事令を出している。 (C)時事通信社