【ニューデリー時事】3月中旬から新型コロナウイルス感染の「第2波」を迎えたインドで、対応が後手後手に回ったモディ政権が批判にさらされている。国政与党が勝利を見込んだ地方議会選、与党支持者の多いヒンズー教の宗教行事を適切に規制せず、人が密集する機会が相次いでいた。
 モディ首相は、感染の「第1波」が収まっていた1月下旬の演説で「インドは世界で最も多くの人命を救うのに成功した国の一つだ」と自賛した。1月にワクチン接種が開始されたことと併せ、人心の緩みを生んだ。
 それから約3カ月で事態は暗転。1日の新規感染者数は7日、41万4000人を超え、連日の世界最多更新が続いている。
 3~4月の地方議会選では、国政与党インド人民党(BJP)は勢力拡大を狙い、モディ氏ら幹部が何度も現地入りした。マスク非着用の群衆を前に声を張り上げていた。
 また、ヒンズー至上主義を掲げるBJP政権は3月、3年に1度のヒンズー教行事「クンブ・メラ」への規制を渋った。参加者はマスクをせず「密」な状態で、ガンジス川で沐浴(もくよく)。その後帰郷し、感染を広げた疑いが強い。
 4月19日には、医療崩壊の危機にひんしていた首都ニューデリーがたまらずロックダウン(都市封鎖)入りした。すると、モディ氏は翌日の演説で「国民をロックダウンから救う」と強調、政敵ケジリワル・デリー首都圏政府首相への批判を先行させた。支持率低下を恐れ、昨年のような全土封鎖にモディ氏は消極的だ。
 医療崩壊に際しても、政権からは「医療用酸素は不足していない」「ワクチン不足は根拠がない」といった現状無視の発言が相次ぐ。インターネット上では、モディ氏辞任を求める声が広がってきた。英BBC放送は、モディ氏の選挙区、ヒンズー教聖地バラナシから「モディ氏は隠れている。BJP地方幹部も(批判を恐れ)携帯電話の電源を切っている」と怒る地元住民の声を報じた。 (C)時事通信社