【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)では7日、製薬会社が保有する新型コロナウイルスワクチン特許の一時放棄について、効果を疑問視する声が強まった。フォンデアライエン欧州委員長は「知的財産権の放棄は(ワクチン普及遅れの)問題を解決しない」と強調した。
 フォンデアライエン氏はEU首脳会議が開かれたポルトガル北部のポルトで記者会見。バイデン米政権が特許放棄支持を表明したことに対し、協議には応じる姿勢を示した。一方で特許放棄が「短・中期的には1回分のワクチンももたらさない」と指摘。ワクチン輸出や生産能力の増強こそが今すぐ必要と訴えた。
 フランスのマクロン大統領も首脳会議前、記者団に「現在の課題は知的財産権ではない」と語り、開発途上国へのワクチン分配や生産技術移転の重要性を力説。米英が「多くのワクチンや原料をブロックしている」とし、輸出拡大を迫った。
 またEU高官は7日、「米国は特許放棄提案の正確な内容と、なぜ問題解決に必要かを説明すべきだ」と、米国の主張に苦言を呈した。 (C)時事通信社