【ロンドン時事】英政府は7日、新型コロナウイルス感染防止で原則禁じてきた海外旅行について、17日から解禁すると発表した。ポルトガルやイスラエルなど、感染拡大が落ち着きを見せている12カ国・地域に限り、帰国時の隔離を免除する。ただ、対象国が少ないことに旅行業界からは「(解除措置が)慎重過ぎる」と不満も出ている。
 政府は、感染やワクチン接種状況に応じて各国の警戒度を緑、黄、赤色に分ける「信号機方式」を導入。ポルトガルなどを隔離措置免除の「緑」に指定した。
 日本や米国などは警戒度が中程度の「黄」で、帰国時に10日間の自己隔離が必要だ。最高度の「赤」はトルコやインドなどで、宿泊代自己負担で指定ホテルでの隔離が義務付けられる。政府は黄と赤の国々への渡航は避けるよう呼び掛けている。
 「信号機方式」は3週間ごとに見直す。適用されるのは英国を構成するイングランドのみだが、シャップス運輸相によると、スコットランドなど他の地域も同様の制度導入に合意している。
 シャップス氏は7日、記者会見し、多くの外国は英国ほどワクチン接種の感染対策が進んでいないと指摘し、慎重な対応に理解を求めた。新方針は旅行再開への「暫定的」な一歩だと強調した。
 一方「緑」が12カ国・地域に限られ、人気旅行先であるスペインやギリシャ、米国などが含まれなかったことで、外出規制の厳しい影響を受けてきた旅行業界の不満は強い。夏休みの旅行シーズンを前に、例年なら今は既に予約受け付けのピークを迎えていてもいい時期だ。各航空会社で組織する英航空協会は声明を出し「(旅行需要に応える)好機を逃した。名ばかりの再開だ」と政府を強く批判している。 (C)時事通信社