国会は10日、衆参両院の予算委員会で菅義偉首相出席の下、集中審議を実施する。緊急事態宣言の延長・追加など政府の新型コロナウイルス対応が主要テーマになる見通し。野党は短期集中で感染を抑えるとした首相の「見通しの甘さ」をただす方針で、6月16日の会期末まで約1カ月となった後半国会のヤマ場となりそうだ。
 集中審議は午前に衆院、午後に参院でそれぞれ行われ、野党からは立憲民主党の枝野幸男、国民民主党の玉木雄一郎両代表が質問に立つ。
 具体的な論点は、当初「17日間」と設定した緊急事態宣言の評価と延長後の「出口戦略」だ。野党は短期間の宣言発令を「根拠なき楽観論」に立っていたとみており、首相の判断を追及する。延長後の31日の期限で解除できるかも問う。
 立憲は感染抑止の徹底と事業者らへの手厚い補助を優先する方向へ政策転換するよう主張しており、経済との両立を掲げる首相との激しい論戦が予想される。
 政権が感染抑止の切り札と位置付けるワクチン接種も議論になりそうだ。首相は7日の記者会見で高齢者接種を7月末までに完了させることに強い意欲を示した。野党は医療従事者らへの接種の遅れなどを挙げつつ、目標達成の方策について説明を求める。
 コロナ感染状況に改善が見られず、東京五輪・パラリンピック開催には不透明感も増している。今月中旬に予定された国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長来日は見送られる可能性が大きく、開催の可否に関する首相の現状認識にも注目が集まりそうだ。
 野党は五輪に投入される医療資源をワクチン接種や医療現場に振り向けるべきだとして、五輪の延期・中止を検討するよう訴える。 (C)時事通信社