新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種が、10日から本格化する見通しだ。可能な限り安全に受けるには、何に気を付けるべきか。専門家は、重いアレルギー反応アナフィラキシーに加え、「接種時の緊張による失神も心配。力を抜いて受けて」と話す。
 米ファイザー製ワクチンは、接種当日に37.5度以上の発熱がある人や、このワクチンに含まれる成分でアナフィラキシーを経験した人は接種を受けられない。心臓などに基礎疾患がある人らは要注意とされる。上腕筋肉に接種するため、肩を出しやすい服装が望ましい。
 厚生労働省によると、4月22日までの約250万回の接種で、アナフィラキシーは94件発生。接種後の死亡例は同27日までに19人確認されたが、いずれも「因果関係は不明」で、同省専門部会は安全性に問題はないとする。
 ワクチンに詳しい長崎大の森内浩幸教授は副反応などの頻度について、「想定の範囲内で、心配するレベルではない」と評価。一方で「注射時のストレスで失神する『血管迷走神経反射』にも注意が必要だ」と指摘する。
 これは、緊張や恐怖により、心臓や血管の動きを調整する副交感神経が過剰に働いて心臓の動きが弱くなり、脳への血流が減少する現象だ。「ホラー映画やお化け屋敷で失神するのと同じ」(森内氏)で、立ちくらみのように倒れ、けがをする恐れもある。接種直後が多く、若い痩せ形の女性で起きやすいという。
 森内氏は「採血より痛みはない。リラックスして受けて」と呼び掛け、「かかりつけ医で受けるなら横になった状態で。集団接種ならすぐに立ち上がらず、背もたれ付きのいすで休めるように配慮してもらうのが望ましい。家族や知り合いに付き添ってもらい、ふらつかないよう支えてもらうのも有効だ」と話す。
 厚労省は、接種後15~30分は座って過ごすよう求めている。当日の入浴に問題はないが、こすってはだめで、激しい運動も控える。接種から数日間は痛みや頭痛などが起こり得るとしている。 (C)時事通信社
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