東京パラリンピックに参加するボランティアも、新型コロナウイルスが影を落とす中で16日に開幕100日前を迎える。
 「楽しみだし、自分がしてもらったことをお返ししたい」と語るのは、パラリンピアンの米田真由美さん(38)。柔道で2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両大会の日本代表だった。
 出産を機に現役を引退。視野は中心の3%しかなく、「針の穴を通して見ている状態」だが、選手時代から慣れ親しんでいる日本武道館で行われる柔道でなら貢献できると考えて申し込んだ。
 視覚で瞬時に得られる情報に限りがあるため、事前の下調べだけでなく、気軽にサポートを頼めるボランティア同士の関係づくりが重要になる。しかし、ここまでの準備はほとんどオンラインなだけに「不安は大きい」と話す。
 大会開催に懐疑的な見方が広がる中、周囲から「やるの?」「感染も多いから、やめたら?」と言われることも。難しい状況だと理解しながらも「選手でやってきたからこそ、いま返せるものもある」と信じている。
 早大2年の田島璃子さん(20)は、筑波大の付属高出身。系列の特別支援学校との合同キャンプなどで障害を持つ友人と知り合い、パラに高い関心がある。ただ、胸中は揺れる。「そもそもやらない方がいいという意見がかなりあるのは仕方ないが、もどかしい、悔しいという気持ちは正直ある」
 大会中は五輪テニスと車いすテニス会場でチケット確認や来場者の誘導などを担うチームのリーダーを務める。もっとも、無観客開催の可能性もあるためか、4月末の時点でも一緒に業務を行うメンバーさえ知らされず「本当に開催されるのかな」という疑念も膨らむ。
 「複雑な気持ちというのが正直なところ。やるという前提で準備を進めていくしかない」と割り切るのは、私立学校の教員、三坂央さん(44)だ。
 辞退を申し出るボランティアがいることを伝え聞いても、国際大会を支える活動を通して得られる経験を教え子たちに伝えたいという思いは揺るがない。本番は車いすバスケットボールの選手をサポート。「最高のパフォーマンスを発揮できるための環境づくりで、少しでも力になれたら」と話した。 (C)時事通信社