新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種が本格化する中、65歳以上の国会議員を対象にした集団接種を行うかどうか、与野党が頭を悩ませている。感染対策のため地元に戻れない議員が多く、国会に会場設置を求める意見がある一方、「特権」批判を危惧する声も根強い。
 高齢議員への対応は現在、衆参両院の議院運営委員会を中心に検討が進んでいる。国会内での集団接種について、関係者は「政府から企業に職場接種の実施を呼び掛けている。国会でも検討した方がいい」と必要性を強調する。
 こうした動きについて、70歳代の自民党議員は「国会議員は多くの人と接する。早期に接種できればありがたい」と歓迎。立憲民主党ベテランも「東京から地元に帰りにくい雰囲気がある。接種できれば政治活動の制約がなくなる」と期待する。
 ただ、高齢者接種の現場では、予約をめぐる混乱が相次ぐ。本来は対象外の自治体首長が先駆けて接種を受けたことへの反発も強く、議員向けの会場設置には、与野党から「特権と批判される」「上級国民と言われる」との懸念も漏れる。
 今国会の会期は来月16日まで。その後も東京都議選や次期衆院選など重要な政治日程が続き、議員の動きも活発になることが予想される。「世論の様子を見ながら判断するしかない」。自民党幹部は悩ましい胸の内を吐露した。 (C)時事通信社