新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なインドで、日本の自動車メーカーが相次いで生産を停止している。ロックダウン(都市封鎖)が行われている地域で従業員が出勤できないのに加え、自動車部品などの調達にも支障が生じているためだ。インド市場を主力とするスズキをはじめ、各社の生産計画や業績への影響に懸念が広がっている。
 4月下旬以降、連日40万人前後の新規感染者が確認されたインドでは、医療用の酸素不足が深刻となり、工業用酸素を転用する動きが拡大している。このため、スズキは5月に入り、インドの四輪車3工場で生産を停止した。
 スズキにとってインド市場は自動車販売台数の半分以上を占める生命線。鈴木俊宏社長が自ら「インド一本柱」と公言するほど、業績を大きく左右する。同社は13日の決算説明会で、インドでの生産・販売状況が見通せないとして、2022年3月期の業績予想を示せなかった。
 トヨタ自動車も4月末以降、インドの四輪車工場で保守点検を理由に稼働を停止していたが、コロナの感染急拡大で停止期間を21日まで1週間延ばした。ホンダは四輪・二輪の計5工場で、5月に入ってから相次いで生産を停止。ヤマハ発動機は二輪車の2工場で5月末まで工場の操業を止める。
 各社は再開後に生産台数を増やして挽回する予定だが、「今後もどうなるか全く見通せない」(自動車大手関係者)と、先行きを不安視する声が上がっている。 (C)時事通信社