【ニューデリー時事】インドで新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、国境を接し、インドと密接な関係を持つネパールでも感染が広がりつつある。もともと医療インフラの脆弱(ぜいじゃく)なネパールでは、インド同様に病床や医療用酸素の不足といった「医療崩壊」が深刻化。一方、政治家は政争に明け暮れ、有効な対策が打てていない。
 人口約3000万人のネパールでは15日の政府発表で、過去24時間の新規感染者が8000人超に達し、死者も187人だった。地元紙カトマンズ・ポスト(電子版)は15日、「新規感染者は驚くほどの増加を続けており、医療用酸素、集中治療室(ICU)、人工呼吸器が全土で不足している」と報じた。
 また、AFP通信は「首都カトマンズの酸素製造施設は24時間態勢で操業しているが、需要は供給能力をはるかに上回る」と嘆く酸素業者組合トップの話を伝えた。
 ネパールは生活物資の大半をインドからの輸入に頼っている。また、ネパールには労働人口を吸収できる産業がほとんどなく、ビザなしで入国できるインドに出稼ぎに行く人も多い。
 ネパール政府は今月1日までに、対インド国境検問35カ所のうち22カ所を閉鎖することを決めた。ただ、実際は検問所以外にも通行可能な場所はあり、実効性には疑問符が付く。 (C)時事通信社