【台北時事】台湾政府は17日、新型コロナウイルスの感染者数が、海外渡航歴のない人だけで新たに333人確認されたと発表した。前日から127人増え、初めて300人を超えた。感染急拡大に伴う厳戒態勢下で台北の中心部は閑散とし、「巣ごもり」に備える人たちの買いだめで、スーパーの棚からは多くの商品が消えた。
 「過度に怖がる必要はないので、皆でもう一度難関を乗り越えよう」。蔡英文総統は、SNSで感染防止対策の徹底を訴えた。
 台湾はこれまで厳しい水際対策で新型コロナの抑え込みに成功し、世界の模範と見なされてきた。しかし、感染力の強い英国型変異株が流入し、人口が密集する台北市と隣接する新北市であっという間に拡散。新規感染者は3日連続で3桁台となった。
 両市では屋内で5人以上、屋外で10人以上の集まりが禁止されるなど感染防止対策が強化された15日以降、街の人出が急減。台北中心部のオフィス街で営業するコンビニの店長は「客足が7割ほど減った」と嘆いた。一方、スーパーはにぎわい、インスタントラーメンや缶詰といった保存食、トイレットペーパーなど日用品が品薄となった。
 日系企業団体の台北市日本工商会によると、時差出勤や在宅勤務を導入した会員企業は約9割に上るとみられる。多くの地元企業も同様の措置を講じており、台北市と新北市を結ぶ地下鉄では、17日朝のラッシュアワーの乗客がほぼ半減。18日からは小中高の授業がオンラインに切り替わるため、人出は一段と少なくなりそうだ。
 政府は対策強化期間の28日まで、不要不急の外出に加え、市や県をまたいだ移動をできる限り控えるよう市民に呼び掛けている。 (C)時事通信社