加熱式たばこや電子たばこに代表される新型たばこは、従来の紙巻きたばこと比べ健康リスクは小さいのか−。この問いに対し、韓国・Soonchunhyang UniversityのG. Rudasingwa氏らは同国で行われた喫煙と健康に関するTHINK(Tobacco and Health IN Korea)studyのデータを解析し、結果をInt J Environ Res Public Health2021年4月29日オンライン版)に報告した。

19〜65歳、約1,500例を解析

 加熱式たばこや電子たばこなど、紙巻きたばこに替わり市場に出回るようになった新型たばこの健康リスクを検討するため、Rudasingwa氏らはTHINK studyのデータを解析。対象は2019年3〜6月に19〜65歳(韓国は19歳を迎える年の1月1日から飲酒・喫煙が可能)だった1,586例で、妊婦や重度肺疾患患者などは除外した。

 喫煙習慣の有無などを事前調査し、対象を非喫煙群(167例)、紙巻きたばこ群(726例)、加熱式たばこ群(377例)、電子たばこ群(316例)に割り付けた。このうち非喫煙群の46例、紙巻きたばこ群の436例、加熱式たばこ群の79例、電子たばこ群の26例から採尿。尿中のニコチン、コチニン(ニコチンの代謝物)、OH-コチニン、NNAL〔4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)の代謝物〕、CYMAおよびCEMA(揮発性有機化合物アクリルニトリルおよびアクロレインの代謝物)の各濃度を評価した。

 各群の主な背景は男性が非喫煙群33.5%、紙巻きたばこ群85.5%、加熱式たばこ群79.6%、電子たばこ群72.5%を占めており、1日当たりの喫煙本数(5本以下、6〜10本、11〜15本、16〜20本、21〜25本、26〜30本、31本以上)で最も多かった層は紙巻きたばこ群が6〜10本で28.9%、加熱式たばこ群も同様で33.2%、電子たばこ群が5本以下で57.3%であった。

3種類のたばこでニコチン依存度に有意差なし

 各項目の数値を比較した結果、NNAL(紙巻きたばこ群32.0pg/mL、加熱式たばこ群14.5pg/mL、P=0.0106)およびCEMA(同166.1ng/mL、60.4ng/mL、P=0.0007)のみ紙巻きたばこ群が加熱式たばこ群に比べ有意に高値であったものの、それ以外は両群で同等であった。一方、電子たばこ群では紙巻きたばこ群および加熱式たばこ群と比べいずれの項目も数値は低かったが、非喫煙群より高いことが分かった。また、コチニン濃度によりニコチン依存度を検討したところ、紙巻きたばこ群、加熱式たばこ群、電子たばこ群の間に有意な差は見られなかった。

 起床後最初の喫煙までの時間(5分以内、6〜30分、31分以上)についても検討した。その結果、紙巻きたばこ群および加熱式たばこ群では起床後最初の喫煙までの時間が短いほどコチニン濃度が高かった。

 さらに、日常的な喫煙本数と性、年齢、コチニン濃度で補正したFagerströmのニコチン依存度におけるニコチン依存決定因子との関連についても検討した。その結果、紙巻きたばこ群および電子たばこ群では起床後最初の喫煙までの時間が61分以上と比べ5分以内であることと日常的な喫煙本数の多さに有意な関連が確認された(ともにP<0.0001)。

 今回の結果から、Rudasingwa氏らは「たばこの種類にかかわらず、ニコチン依存度は3種類のたばこで有意差は見られなかった。しかしながら、紙巻きたばこおよび加熱式たばこの喫煙者では尿中コチニン濃度と日常的喫煙本数には用量依存的に正の相関が認められた。加えて、起床後最初の喫煙までの時間と日常的な喫煙本数に有意な関連が示された」と結論した。

松浦庸夫