【ワシントン時事】米下院は18日、人種的偏見などに基づくヘイトクライム(憎悪犯罪)への対応強化を定めた法案を採決し、賛成多数で可決した。法案は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、アジア系住民への憎悪犯罪が急増したことを受けて提出された。既に上院を通過しており、近くバイデン大統領の署名を経て成立する。
 法案は、司法省に新型コロナ関連の憎悪犯罪担当官を置くとともに、そうした犯罪に対応する州・自治体の警察組織への支援強化を規定。新型コロナに絡む人種差別的な表現の使用を抑制するガイドライン作成も盛り込んだ。
 人権団体によると、米国で新型コロナ感染が広がった昨年3月から今年3月までに、アジア太平洋系の住民らに対する嫌がらせや暴力行為の報告が6600件以上寄せられた。民主党からは、新型コロナを「中国ウイルス」などと呼んだトランプ前大統領の言動が、アジア系住民への憎悪をあおったと批判する声が出ている。
 法案を提出した日系のヒロノ上院議員(民主)は可決を受け、ツイッターに「人種差別と不寛容がまん延する中、議会はアジア太平洋系と連帯するという強力で団結したメッセージを発した」と投稿。早期の法成立に期待を示した。 (C)時事通信社