黒田東彦日銀総裁は19日、内外情勢調査会でオンライン講演し、日本経済について「新型コロナウイルス感染症の影響が収束していけば、消費の増加基調が明確になる」と述べた。ただ、ワクチン接種をめぐり「普及ペースや効果には不確実性がある」と指摘。国民全体に対する接種の遅れなどで経済活動への下押し圧力が強まるリスクに警戒感を示した。
 政府は7月末までに高齢者へのワクチン接種完了を目指しているが、目標達成は予断を許さない。変異株の感染急拡大もあり、米国のように接種の進展に伴い経済の正常化が順調に進むかは見通せない状況にある。
 黒田総裁は、企業の資金繰り支援を柱とする日銀のコロナ対応策に関し「緩和的な資金調達環境を維持し、経済を支える効果を発揮している」と説明した。今年9月末まで期限をいったん延ばした同対応策について「必要があれば、さらなる延長も検討する」と表明した。
 先行きの金融政策運営では「現在の大規模緩和をしっかりと実施していく」と強調。「必要があればちゅうちょなく追加的な緩和措置を講じる」との考えを示した。 (C)時事通信社