【ロンドン時事】ジョンソン英首相が昨年4月、新型コロナウイルスに感染してロンドンの病院に入院した際に担当した看護師が、病院を辞職した。政府の医療従事者に対する「敬意の欠如」に不満をぶちまけ、「もううんざり」と話しているという。英メディアが18日報じた。
 この看護師はニュージーランド出身のジェニー・マクギーさん。首相が集中治療室(ICU)に運び込まれた当時、24時間体制で治療に当たった2人の看護師のうちの1人だった。首相はその後回復した。
 首相は自らの命を救った医療チームへの感謝の気持ちを繰り返し述べているが、最前線で働く医療従事者にはわずか1%の賃上げしか行わなかった。物価上昇率などを勘案すると実質的な賃下げで、医療従事者の失望を招いている。
 マクギーさんは来週放送される英テレビ局チャンネル4のドキュメンタリー番組で、「私たちには敬意が払われず、相応の報酬もなかった。もううんざりだ。だから私は辞表を提出した」と述べた。今後は他国で看護師の仕事に就く予定という。
 マクギーさんはさらに「多くの看護師は、英政府のコロナ対応が効果的でなかったと感じている」とも指摘。首相は「命の恩人」から批判された格好で、最大野党・労働党のスターマー党首は「衝撃的な告発だ」と首相を追及する構えを示している。英国ではこれまでに約12万8000人が新型コロナで死亡した。 (C)時事通信社