地域金融機関の経営基盤強化を支援するため、日銀が開始した制度に対する地銀の適用申請が相次いでいる。支援制度の活用は、経費率の改善や他行との合併、経営統合の決定が条件。申請が多くなっているのは、長引く低金利と人口減少に加え、新型コロナウイルス禍で地域経済が打撃を受け、地銀の経営環境が厳しさを増していることが背景にある。
 支援制度は条件を満たした場合、日銀に預けている当座預金の金利を年0.1%上乗せする。これまでに京都銀行や栃木銀行などが適用を申請。富山第一銀行の野村充頭取は13日の決算記者会見で、「(経費削減を)どのくらい達成すべきか具体的に考えられる。目標を与えてくれた」と歓迎した。合併や統合を条件とする適用の申請は、福邦銀行を子会社化する福井銀行などが表明している。
 日銀の黒田東彦総裁は19日、内外情勢調査会で講演し、多数の応募があると明かした上で、「地域経済を支える取り組みを後押しすると期待している」と制度の意義を強調した。
 上場地銀の2021年3月期決算は地銀・グループ77社中、半数近い36社が減益となり、うち3社が赤字に転落した。純利益の総額は前期比1割減少。新型コロナで影響を受ける企業の貸し倒れに備える与信関係費用の増加が重しとなった。SBI証券によると、純利益のマイナスは5年連続で、22年3月期も半数近い地銀が減益を予想している。 (C)時事通信社