【ワシントン、モスクワ時事】ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相は19日、アイスランドの首都レイキャビクで会談した。バイデン政権発足後、対面での米ロ外相会談は初めて。両外相は米ロ間の「相違」を認めつつ、協調分野を模索。冷戦後最低水準といわれる米ロ関係の改善を目指す首脳会談の実現が今後の焦点だ。
 会談冒頭、ブリンケン氏は「米ロ首脳が協調的に連携できれば、世界はより安全な場所になり得る」と強調した。バイデン政権は、新型コロナウイルスや北朝鮮情勢など国際的な課題への対処でロシアの協力が不可欠とみている。
 また、ブリンケン氏は会談に合わせ、声明で、ロシアから欧州へ天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム2」に絡み、運営するロシア国営企業ガスプロム子会社とその経営者への制裁を猶予すると発表。バイデン大統領が提案する来月の首脳会談実現に向けて、シグナルを送った可能性もある。
 ただ、バイデン政権は先月、米大統領選介入などで大規模な対ロ制裁を発動しており、是々非々で臨みたい考え。ブリンケン氏は「ロシアの敵対的行動には同盟国やわれわれは対処する」とけん制するのも忘れなかった。会談でウクライナ情勢や反体制派指導者ナワリヌイ氏の健康状態に「深刻な懸念」を表明した。
 一方、ラブロフ氏は会談冒頭、米ロ間には「深刻な相違」があるとした上で、互いに尊重し、誠実な議論が行われれば「例外なくあらゆる問題を議論する用意がある」と発言。「前向きな結果を出せる問題については協力すべきだという点で(米ロ首脳は)一致している」と強調した。
 ラブロフ氏は会談後、「協議は建設的だった」と主張。核軍縮などを含む「戦略的安定性」に関する対話の開始を確認し、米側から否定的な意見はなかったことを明らかにした。5年延長で合意した米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の後継体制などを首脳会談の議題にしたい考えとみられる。 (C)時事通信社