新型コロナウイルスワクチン開発をめぐり、国内でも複数の企業が臨床試験(治験)を進めている。現在は承認に必要な数万人規模の大規模治験が壁となっているが、塩野義製薬の手代木功社長は10日に「条件付き早期承認という形で(厚生労働省と)話をしている」と説明。年内に供給を開始できる可能性が出てきた。
 条件付き早期承認は治験が難しい医薬品について、一定の安全性や有効性を確認した上で、発売後に評価を行う条件で承認する制度。製薬業界だけでなく、与党からも適用を求める声が上がっている。
 国産ワクチンの治験では、大阪大発ベンチャーのアンジェスが既に500人に対し、第2段階の接種を終えている。大規模治験の実施は困難だが、制度が適用できれば早期申請への道が開ける。
 一方、武田薬品工業は米バイオ医薬品企業ノババックスが開発したワクチンについて、年内の供給開始を目指している。山口県光市の工場に年2億5000万回分の生産設備を整え、来年は1億5000万回分を供給する方向で政府と協議している。
 ワクチンの国内治験は、第一三共や明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)が進めているほか、創薬ベンチャーの治験も始まる。製薬業界では「来年になればかなりの供給量がそろうのではないか」といった見通しも出ている。 (C)時事通信社