米モデルナ製と英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、田村憲久厚生労働相は21日、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に基づき、正式に薬事承認した。米ファイザー製に加え、複数の製品が使用可能となることで、ワクチン接種の加速が期待される。
 同日午前に開かれた厚労省の専門部会では、モデルナ製を予防接種法上の「臨時接種」と位置付けた。対象は18歳以上で接種費用は無料。一方、アストラ製は接種後ごくまれに血栓が生じる事例が海外で報告されていることを考慮し、承認後も当面接種を見合わせる。
 アストラ製は、年齢制限や接種停止などの措置を講じる国が相次いでいる。専門部会は、血栓症の症状や治療法を医療従事者などに広く周知する必要があると判断。海外の動向も踏まえ、引き続き議論していくとした。国内で供給される同社製ワクチンは国が全て買い上げ、結論が出るまで一般に出回ることはないという。
 午後に開催された別の専門部会では、モデルナ製ワクチンの副反応を調べるため、自衛隊員約1万人に協力してもらい、追跡調査する方針が示された。接種後4週間の体温や体調の変化、接種部位の痛みの有無などを調べて公表する。
 厚労省によると、海外の臨床試験で、モデルナ製は94.1%、アストラ製は70.4%の発症予防効果があると確認された。先に承認されたファイザー製は95%とされる。
 モデルナ製は、4週間の間隔を空けて2回打つ必要がある。24日からは防衛省が東京と大阪に設置する大規模接種会場で使われる。都道府県や政令市が独自に設ける会場でも使用される見通し。 (C)時事通信社