新型コロナウイルスの感染が深刻なインドなどからの帰国者と、隔離期間中に連絡が取れなくなるケースが相次いでいたことが25日、分かった。厚生労働省が帰国者の申告したものと異なる通信アプリを用いて連絡を取ろうとしたのが原因とみられる。指示通り位置情報や健康状態を報告していたのに「氏名を公表する」と警告された人も複数おり、水際対策の不備が明らかになった。
 厚生労働省は3月以降、隔離期間中の所在地や健康状態の申告に加え、当局から求められた場合はスマートフォンの通信アプリでビデオ通話に応じるよう要請。今月10日からは、到着の翌日から6日間は政府指定の隔離施設にとどまり、その後8日間は自宅などで自主隔離生活を送るよう求めている。
 しかし、帰国時に空港で通信アプリの連絡先を登録したにもかかわらず、連絡が取れないとして、「氏名公表の対象になり得る」というメールを受け取った人が続出した。
 入国者健康確認センターの担当者によると、「通信アプリ『ワッツアップ』の連絡先を登録していた人に、別のアプリで連絡を試み、連絡が取れないのでメールを送った」という。厚労省は、指示に従わない入国者が一時、1日最大300人に上ったことを明らかにしているが、中にはこうしたケースが含まれている可能性がある。
 インドから13日に帰国した40代男性も、同様のミスが原因で「氏名を公表する」と警告された。「インドでコロナの感染力の強さを目の当たりにしており、国の対策には協力したいと思っている。このような扱いを受けるのは不名誉だ」と憤りをあらわにした。
 田村憲久厚労相は25日の閣議後記者会見で、「不具合や対応に問題があるところは随時見直している」と説明。使用する通信アプリを1種類に絞るなど運用を改善していく考えを示した。 (C)時事通信社