菅義偉首相が最近、閣僚を連日のように首相官邸に個別に招き、昼食をともにしている。首相経験者の多くは首相の座に就くと思うように情報が入らず孤独になると振り返っており、官邸内では「菅首相もコロナ禍で会食できず寂しいのではないか」(幹部)との見方が出ている。
 首相は25日、上川陽子法相と35分間、二人きりで会食。この後、上川氏は記者団に「一般的な法務行政について話した」と語った。
 昨年9月の就任以来、首相は民間人らとホテルのレストランなどで頻繁に会食しながら情報収集してきた。ただ、緊急事態宣言下で外食が困難になり、こうした手法は影を潜めた。
 そこで目立ち始めたのが閣僚との1対1の会食だ。この一週間だけで上川氏のほか、平沢勝栄復興相、平井卓也デジタル改革担当相、萩生田光一文部科学相、茂木敏充外相と続いた。
 ある閣僚は当日午前に首相から電話で誘われ、急きょ別の予定をキャンセルしたという。外務省幹部は「普段のように会食できないから情報が入ってこないのだろう」と推測する。
 新型コロナウイルス対応への批判から内閣支持率が下落し、自民党幹部や閣僚から不満の声が漏れていることも背景にありそうだ。同党関係者は「首相は派閥に所属していない。総裁再選をにらみ、閣僚や各派閥の動向が気になるのだろう」と語った。 (C)時事通信社