【ニューヨーク時事】住友不動産販売(東京)が米ニューヨークの現地法人で手掛けていた業務を全面的に停止し、3月末に事務所を閉鎖したことが27日、分かった。新型コロナウイルス禍の影響で日本から赴任する駐在員向けの住宅仲介サービスの需要が急減したほか、企業の商業用不動産投資も低迷し、業績が悪化していた。
 同社は旧財閥系の資金力やブランド力を武器に、30年以上にわたりニューヨークで住宅・商業用不動産の売買仲介や管理業務などを手掛けてきた。だが、近年は日本人駐在員の減少などを背景に事業の収益性が低下。コロナ禍が追い打ちとなり、経営不振からの脱却は困難と判断した。
 ニューヨークの現地法人は、住友不動産販売の親会社である住友不動産に事業統合されるが、「現時点でこれまでの事業を再開する予定はない」(同社広報室)という。
 昨年春以降のコロナの大流行は米経済を直撃し、ニューヨークの不動産市場は「リーマン・ショック以上の厳しい状況」(住友不動産販売の現地幹部)に陥った。足元ではワクチンの普及に伴い持ち直しの兆しが一部で見られるものの、企業の間でリモート勤務が浸透する中、住宅価格が高い中心部マンハッタンなどを避ける動きが続いている。 (C)時事通信社