新型コロナウイルスの感染拡大で、公園などに設けられた喫煙所が相次いで閉鎖されている。大勢がマスクを外して密集して吸えばコロナ感染が懸念されるほか、通り掛かった人の受動喫煙も問題視されるためだ。憩いの場を失った喫煙者の歩きたばこなど、マナー違反も後を絶たない。たばこメーカーは喫煙所マップを作成するなど工夫を凝らし、吸う人と吸わない人が共存できる道を探っている。
 昨年春以降、自治体は管理する公園などの吸い殻入れを撤去。東京都新宿区は新宿駅に近い柏木公園などの喫煙所を閉めたほか、一部では混み合う昼の時間帯の利用を制限している。昨年4月施行の改正健康増進法で屋内での喫煙が原則禁止されたことも重なり、繁華街などでは「路上喫煙が増えた」(飲食店店員)とぼやき声も聞かれる。
 こうした現状に、日本たばこ産業(JT)の小倉健資執行役員は「マナー維持のために喫煙所は大切なインフラだ」と指摘する。同社は無料会員サイトを通じ、全国8万カ所以上の喫煙所を調べられるマップを提供。自治体や飲食店向けに分煙のアドバイスもしている。
 フィリップモリスジャパン(東京)は昨年夏、大崎駅(品川区)近くの歩道に落とし穴のように見えるだまし絵で喫煙者同士が自然と距離を保てる加熱式たばこ専用喫煙所を品川区とともに設けた。また、紙巻きたばこより臭いや煙が少ない加熱式に切り替わることが「共存」の一手とみて、これまでに全国のカフェチェーンなど約1800カ所で加熱式たばこ専用喫煙所の整備を支援した。 (C)時事通信社