天皇、皇后両陛下が地方を訪問される「四大行幸啓」の一つ、第71回全国植樹祭が30日、島根県大田市で初のリモート形式で行われる。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、2年ぶりの開催。現在の感染状況を考慮し、天皇陛下はお住まいがある赤坂御用地(東京都港区)でお言葉を述べ、現地から事前に送られた苗木を植える様子が会場に中継される予定。皇后さまも体調に支障がなければ同席する。
 1950年に国土緑化運動の中心行事として始まった全国植樹祭では天皇、皇后による苗木の「お手植え」と種子の「お手まき」が恒例。しかし、68年5月の第19回秋田大会では、3日前に起きた十勝沖地震の影響で現地訪問が見送られ、代わりに皇居で植えた苗木の鉢を会場に運んだ。
 昭和天皇実録などによると、昭和天皇と香淳皇后は式典前日の5月18日、皇居の庭でアキタスギの苗木を鉢に植え、アキタスギとクロマツの種を手に取った。鉢と種は上京した副知事が会場まで運び、知事らが移植。地震の被災地視察に派遣された侍従が天皇のお言葉を伝えた。
 昭和天皇はその後、「湖のながめえならずと聞く大森に杉を植ゑむと思ひしものを」との和歌を詠んだ。翌69年8月には香淳皇后と秋田県を訪問し、田沢湖町(現仙北市)の大会会場に足を運んで、植えられたアキタスギを見た。
 両陛下の今後の島根県訪問の見通しについて、宮内庁は「今のところ予定はない」としている。 (C)時事通信社