今国会は6月16日の会期末まで半月余りとなり最終盤に入った。残り会期も新型コロナウイルスをめぐる政府対応が最大の焦点。7月の東京都議選、次期衆院選をにらみ、政府・与党は積み残しの法案処理を進めながら守りを固める。野党は6月上旬に行われる党首討論をヤマ場と位置付け、内閣不信任決議案提出を探る構えで、攻防が激化する見通しだ。
 立憲民主党など野党はコロナ対策に関する補正予算編成を求めている。これに対し、政府・与党は今国会では不要との立場だ。都議選の告示が6月25日に迫っていることもあり、会期は延長せずに国会を閉じる方向で調整している。
 法案処理では、安全保障上重要な土地の利用を規制する法案の扱いが焦点となる。政府・与党は入管難民法や放送法の改正案の今国会成立を断念したが、土地法案については自民党保守派の強い意向もあり、成立に全力を挙げる。与党は28日の衆院内閣委員会で、立憲などの反対を押し切って採決に踏み切った。
 立憲などは「法案は私権制限につながる」と訴え、与党の「採決強行」に反発している。土地法案は6月1日に衆院を通過する運びだが、野党は参院で抵抗を強める構えで、成立は見通せない。
 党首討論は6月9日に約2年ぶりに行われる。立憲の枝野幸男代表ら野党党首が首相と厳しく対峙(たいじ)する。首相と全閣僚が出席する7日の参院決算委員会と合わせ、政府のコロナ対応や東京五輪・パラリンピックをめぐり激しい論戦が交わされそうだ。
 枝野氏は28日の党会合で「首相と1対1で議論できる。国会全体として緊迫の度合いはどんどん高まっていく」と指摘した。立憲は首相との論戦を踏まえ、内閣不信任案提出に踏み切るかどうかを最終判断する。
 ただ、提出の判断の「目安」と明言した緊急事態宣言が延長されたことが足かせになる可能性もある。自民党幹部は野党の衆院選準備は整っていないとみて、「不信任案を出してきたら瞬時に衆院解散だ」とけん制している。
 一方、議員立法については、与野党が「呉越同舟」で処理を急ぐ。国民投票法改正案、建材用アスベスト(石綿)被害者の救済法案、新型コロナ感染者向けの郵便投票導入法案などがある。与党は、海外の東京五輪・パラリンピック選手用の治療用覚せい剤持ち込み法案の成立へ、立憲などの協力を求める考え。与野党とも法案成立をアピールする思惑が透ける。 (C)時事通信社