新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪・パラリンピック参加国・地域の選手団による事前合宿を取りやめるケースが相次いでいる。内閣官房によると、事前合宿や交流事業の中止を決めた自治体は26日時点で78に上り、同日以降も新たな中止表明は続いている。ホストタウンなどとして選手らを受け入れる自治体も、感染防止対策の徹底で細心の注意を払う。
 栃木県高根沢町は当初、アフリカのレソトの陸上やボクシングの選手ら25人を受け入れる予定で、小中学生向けに文化や地理を学ぶ「レソト通信」を発行するなど機運醸成に努めていた。しかし同国大使館が在宅勤務になるなどして調整が進まず、町は断念を決定。大使館は「引き続き応援をお願いしたい」としており、町は小中学生とのオンライン交流などを検討する。
 中米ベリーズのホストタウンである千葉県横芝光町も事前合宿を断念した。国は受け入れ自治体向けに新型コロナ対策の指針を公表したが、移動や宿泊、練習場などの制限内容が厳しく、佐藤晴彦町長は「正直言って不可能と判断した」。ワクチン接種を優先せざるを得ない事情もあり、佐藤氏は「選手が感染して五輪に出場できなくなったら申し訳ない」と話す。
 こうした中、男子7人制ラグビーの南アフリカ代表を受け入れる鹿児島市は「国の指針に沿った感染症対策が可能」と判断。南アは19年ラグビーワールドカップ(W杯)でも市内で事前合宿をしており、市は今年6月中のホストタウン登録を目指す。
 富山県高岡市は7月中旬にレスリングのポーランド代表の選手ら21人を受け入れる。期間中は市営体育館を借り上げ、練習に専念してもらう。
 富山の感染状況は同国より落ち着いており「安心してもらっている」(同市担当者)が、移動に公共交通機関を使わないことやPCR検査を毎日実施するなど条件が厳しくなっていることを懸念。「選手らの来日時の検査にどれだけ時間がかかるか分からない」(同)ことを心配し、市内までの移動手段を複数検討する。 (C)時事通信社