東京五輪開催時に新型コロナウイルスの感染拡大がどう進むかの試算を、東京大大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授らが30日までにまとめた。選手や大会関係者らの入国が東京都内の新規感染者数増に与える影響は限定的だが、国内での人の流れの増加が大きく影響するという。仲田氏らは、パブリックビューイングなどによる人の流れをいかに抑制するかが重要と分析している。
 東京五輪は7月23~8月8日、東京パラリンピックは8月24~9月5日に開催される。選手約1万5000人、大会関係者約7万8000人などが各地から入国する予定。試算では、選手や大会関係者、報道陣ら計10万5000人が入国し、半数が新型コロナワクチンを接種済みで、100人が感染したまま検疫を擦り抜けて入国するとの前提を設けた。
 現在の緊急事態宣言が6月中旬に解除され、ワクチン接種が1日60万回のペースで実施されると仮定したところ、都内の感染は10月中旬に再びピークを迎えるとの結果になった。10月第3週の1日当たりの新規感染者数を見ると、東京五輪を中止した場合は822人だった。
 予定通り開催して選手らが入国しても、国内での人の流れの増加を完全に抑えた場合は842人にとどまった。五輪を中止した場合と大差はなく、入国者が感染者増に与える影響が限定的なことが分かった。
 一方、応援に出掛けるなどして人の流れが2%増加した場合、10月第3週には1046人に増え、6%増加した場合は1600人に達した。仲田氏は「路上やスポーツバーでの応援によって人の流れが増えることを、いかに抑制するかが非常に重要だ」と強調している。 (C)時事通信社