遅々として進まなかった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種。東京と大阪に設置された大規模接種センターでの接種が始まり、ようやく高齢者へのワクチン接種にエンジンがかかってきた。大規模接種センターで接種されているのは米・モデルナ製ワクチン。同社は、同ワクチンの若年者に対する有効性と安全性を評価する第Ⅱ/Ⅲ相試験TeenCOVEを実施。その結果、成人を対象とした第Ⅲ相試験COVEと比較して免疫原性の非劣性を達成したと、5月26日に同社の公式ホームページで発表した。

若年者での有効率は100%

 TeenCOVEに登録したのは、12~17歳の男女3,732例。モデルナ製ワクチン(100μg)群とプラセボ群に2:1でランダムに割り付け、2回の接種を行った。主要評価項目は、SARS-CoV-2感染既往のない成人を対象に実施したCOVEと比較した免疫原性。

 試験の結果、ワクチンを接種した若年者では成人と同等の免疫反応を示し、COVEとの比較で免疫原性において成人に対する非劣性を達成した。

 2回のワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症したのは、ワクチン群では0例、プラセボ群では4例。若年者に対するワクチンの有効率は100%だった。

 ワクチン接種後の有害事象は大半が軽度~中等度で、忍容性はCOVEと同程度だった。局所では疼痛が最多、全身性では頭痛、疲労感、寒気が多かった。

 同社のCEOであるStephane Bancel氏は「モデルナ製ワクチンが、若年世代のSARS-CoV-2感染予防に高い有効性を示したことは大きな成果。安全性に関するデータは集積中だが、今回得られた結果を来月にも米食品医薬品局および各国の保健当局に提出し、12~17歳に対する同ワクチンの薬事承認を申請したい」との意向を示している。

(比企野綾子)