厚生労働省は、災害時の医療提供体制を強化するため、浸水被害の予想される医療機関が電源や医療設備を上階に移したり、止水板を設置したりする場合に助成金を出す。地震などで倒壊の恐れがあるブロック塀のある病院にも、撤去費や改修費を支援する。近く都道府県を通じて、希望する病院を募る。
 近年大規模水害が頻発する中、医療機関の備えが不十分で、被災時に通常の医療を提供できなくなるケースが相次いでいる。厚労省によると、2019年の台風19号では38カ所、20年7月の豪雨では34カ所の医療機関が浸水被害を受けた。このため同省は対策を急ぐことにした。
 助成対象は救命救急センターや災害拠点病院などで、浸水が想定される区域にあり、地域医療を維持する観点から移転できない施設。自家発電設備やコンピューター断層撮影(CT)スキャン機器、磁気共鳴画像装置(MRI)を上階に移すなどする場合、費用の3分の1を支援する。
 地震対策では、18年の大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒壊し児童が死亡した事故をきっかけに、厚労省が全国の病院に緊急点検を要請したところ、倒壊の恐れがあるブロック塀が約700カ所あることが分かった。これらの撤去・補強改修費用も3分の1を助成する。助成対象は病院のみで、診療所は除外する。 (C)時事通信社