【パリ時事】経済協力開発機構(OECD)は31日、2021年の世界経済成長率見通しを5.8%と、3月予想の5.6%から上方修正した。先進国を中心に新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動が再開しつつあることを評価した。一方、日本はコロナ規制の継続やワクチン接種の遅れにより、前回の2.7%から2.6%に下方修正した。
 日本について、政府による緊急事態宣言は「自治体による飲食店への時短営業要請を可能にしたが、これらの対策は新たな変異株の感染拡大防止には不十分だった」と指摘。ワクチン接種についても「2月中旬にようやく開始したが、他のOECD諸国に後れを取っている」と説明した。
 中国は、輸出が増加傾向にあり、金融政策の緩和が続いているとして、21年の成長率予想を8.5%と、前回の7.8%から上方修正した。
 新型コロナによる死者数が累計で30万人を超えているインドは9.9%と、12.6%から下方修正。米国は6.9%と、6.5%から引き上げた。
 首席エコノミストのローレンス・ボーン氏は「十分なワクチンが新興国や低所得国に届いていないのは非常に憂慮すべきことだ。深刻な貧困がさらに増加する可能性がある」と懸念を表明した。 (C)時事通信社