新型コロナウイルス禍が、国内航空業界に再編を迫った。「北海道の翼」AIRDO(エア・ドゥ、札幌市)と、「九州・沖縄の翼」ソラシドエア(宮崎市)が来年10月をめどに共同持ち株会社を設立。「地域の翼」維持へこれまでの提携関係を強化する。共に羽田空港へ乗り入れる一方、路線の競合がないため、ブランドなど独立性を残した形で経営効率化を目指す。
 31日に宮崎市で記者会見した高橋宏輔ソラシド社長は「極めて早急に協業効果を上げるための結果が共同持ち株会社だ」と語った。札幌市で会見した草野晋エア・ドゥ社長は「毀損(きそん)した財務基盤の回復と経営基盤の強化を図る」と強調した。
 2021年3月期決算は、両社とも赤字に転落。コロナ禍の打撃で、旅客数(共同運航便販売分を除く)は、エア・ドゥが7割減、ソラシドが6割減と大きく落ち込んだ。
 国内線で中・小型機を運航する両社は、もともと大手に比べ収益を上げにくい。一方、「地域の翼」として路線網を維持する使命も抱える。
 地域を結ぶ他の中堅・中小航空も同じ構造を抱え、系列を超えた連携が進む。日本エアコミューター(鹿児島県霧島市)など九州地方の離島路線を結ぶ5社は19年に事業組合を設立。20年には仙台空港を拠点とするアイベックスエアラインズ(東京)や静岡空港が拠点のフジドリームエアラインズ(静岡市)など4社が都市間交流の促進に向け協議会を立ち上げている。
 エア・ドゥとソラシドは今回の再編で共通コストを削減し、新会社設立から5年程度で計30億~50億円の収益改善効果を見込む。「合併は考えていない」(高橋氏)という両社は、それぞれの地域に軸足を置きながら赤字からの脱却を目指すが、旅客需要の先行きは見えず、22年3月期業績予想の公表を共に見送った。 (C)時事通信社