途上国のワクチン接種を推進する国際組織「GAVIワクチンアライアンス」(本部スイス・ジュネーブ)のバークレー最高経営責任者(CEO)は1日、時事通信のオンラインインタビューに応じ、一部の有力国が新型コロナウイルスワクチン供給を通じて影響力確保を狙う「ワクチン外交」がコロナ抑止に有効ではないとの見解を示した。また、ワクチン増産に向け、特許放棄よりも技術移転の促進を訴えた。
 バークレーCEOは有力国が友好国などに優先的にワクチンを供給しても、その他に行き渡らなければ「感染は続き、拡大する」と警告。GAVIなどが主導するワクチンの国際共同調達制度「COVAX(コバックス)」こそ、公平なワクチン普及を進め、パンデミック(世界的大流行)を抑える助けになると強調した。
 コロナワクチンをめぐっては、富裕国で接種が進む一方、多くの低所得国がほとんど確保できず、「恥ずべき不公平」(世界保健機関のテドロス事務局長)との批判も上がっている。
 日本政府とGAVIは2日、オンラインで「COVAXワクチンサミット」を開催する。バークレー氏はサミットで、COVAXへの資金拠出のほか、ワクチンの寄付も呼び掛ける意向を明らかにした。富裕国が必要分の数倍のワクチンを確保している状況を踏まえ、この余剰を足りない国へ「できる限り速やかに分配することが非常に重要だ」と述べた。
 ワクチン増産を狙い、製薬会社などの知的財産権の一時放棄が協議されており、米国が支持を表明する。ただバークレー氏は「知財権はワクチン供給の障害ではない」と明言。ワクチン生産には厳格な品質管理などが要求されるため、「必要なのは一段の技術移転だ」と語った。 (C)時事通信社