経済的に困窮した女性が生理用品を購入しにくくなる「生理の貧困」をめぐり、大学が女子学生にナプキンなどを無料配布する動きが広がっている。コロナ禍でアルバイト収入や仕送りが減る中、専門家は「生理用品が入手できないと、学習や外出の機会を失い社会的に孤立する」と支援の必要性を訴えている。
 「ナプキンをもらえないか」。山梨大(甲府市)は学生からのこうした相談をきっかけに、4月下旬から約2週間、生理用品を配布した。併せて実施した学生68人へのアンケートでは、6割超が「アルバイト・仕送りが減り困っている」と回答。金銭的に苦しむ学生の増加を受け、さらなる無料配布を検討中だ。
 歴史社会学者の田中ひかるさんは「『スマートフォンの料金は払えるのに、なぜ生理用品は買えないのか』という声があるが、スマホがなければ勉強や就職活動に差し支えることもある」と強調。「他人に気付かれにくい生理の問題はおざなりにされがちだ」と指摘する。
 筑紫女学園大(福岡県太宰府市)は5月、学生向けに無償配布を始めた。趣旨に賛同した地元薬局が生理用品を提供。1週間で計151人が利用するなど好評で、同大の女子学生(21)は「コロナ禍で月8万円のバイト代がゼロになった。ありがたい」とほほ笑む。スタッフとして参加した3年生の川畑琴子さん(21)も「バイト収入が約3分の1になる一方、ステイホームで電気代は4倍。以前は普通に買っていた生理用品を高いと感じるようになった」と話した。
 貧困学生への食料支援にも取り組む同大は昨年5月、生理用品を含む生活必需品について学生1357人にアンケートを実施。約15%が「買い控えた」「買えない」と回答した。
 配布を提案した同大の大西良准教授(社会福祉学)は「大学生は景気悪化の影響を受けやすい。生理用品を満足に買えない学生が学習や外出の機会を失い、社会的に孤立するのを防ぎたい」と話している。 (C)時事通信社