国立がん研究センターは2日、新型コロナウイルスへの感染歴を示す抗体について、がん患者と健康な人で保有率に差はないが、抗体の量はがん患者の方が少ないとする調査結果を公表した。抗がん剤による薬物療法の影響とみられるが、同センターは「抗体量の違いと感染リスクの関係は明らかではない。治療を続けるとともに、抗体を増やすためワクチンを打ってほしい」としている。
 同センターなどは昨年8~10月、肺がんや乳がんなどの患者500人とセンターの医師や看護師ら1190人を調査。抗体保有率(一定以上の抗体量を持つ人の割合)は、がん患者1.0%(5人)、職員0.67%(8人)だった。調査以前に新型コロナに感染していた人はそれぞれ3人で、この6人を除外しても保有率に明確な差はなかった。
 ただ、がん患者と健康な人の抗体量を調べると、患者の方が少なかった。患者500人の中で治療と抗体量の関係を調べると、1カ月以内に抗がん剤の投与を受けた患者は抗体量が少なかった。投与による免疫低下が原因の可能性があるという。
 一方、免疫治療薬を投与された患者は抗体量が高い値を示した。がん細胞に対する免疫が活性化され、新型コロナにも効果があったとみられる。 (C)時事通信社